遭遇
先日、青果売り場で珍しい野菜を見つけた。
バナナのつぼみらしい。
小玉スイカに近いくらい大きくてずっしりとしている。
色々な国に旅には行ったけれどバナナのつぼみの料理なんて見たことも聞いたこともない。
東南アジアにだって何度と行った上で知らないのだから余程のものだ。
しかしどうしたものだろう。
試してみたいとは思うものの同時に億劫にもなって気後れする。
手にとってみるとシールが貼られていて、そこに調理の解説があった。
皮を剥いたらたけのこのような構造になっていて炒め物にして食べられるらしい。
そうか、たけのこか、それなら簡単かもしれない。
そう思うとイメージが湧いてきて心を軽くした。
勢いに任せてそのままカゴに入れて買って帰ることにした。
いざ!
いつまでも逃げてはいられない。
という訳で重い腰を上げて調理してみる事にした。

巨大なバナナのつぼみ。まるで恐竜の卵の様。

皮を剥くごとにおしべのようなものがずらりと周りを囲むようにして出てくる。

何枚も何枚も皮を剥いで行くと可食部分の芽が出てくる。

割った断面。本当にたけのこのような見た目をしている。

最終的にはこんな風に調理した。
手がつけづらそうに見えてそんな事もない。
不思議な野菜、バナナのつぼみ。
同じものばかり作らないで新しいものを作っていこうとしていた折にとても良い経験になった。
もしもレストランのメニューでバナナのつぼみの料理が目つけられたならその時は是非どんな調理の仕方があるのか知る為に頼んでみたいものだ。

