今日は昨日気になっていたレストランで朝食を取るべく朝早くからホテルを出た。
細い道を縫うようにして歩き、5分程の店へと足を運ぶ。
これが昨日写真を見て一目で気に入ってしまった朝食でしか提供されていないというサンドイッチ。
ベーグルのようなリング状のパンを横半分に切ったものにふんだんとクリームチーズ、くるみ、トマト、きゅうり、鶏肉が挟んである。
パンの表目にはごまもたっぷりとかかっていて香ばしい。
付け合わせもトマトが薔薇の様な形に盛り付けられていて洒落ている。
店名: Ameriano lounge
sandwich 150 toman
tea 40 toman
( 合計4ドル位)
天気も良いので2階のテラス席で気持ちの良い時間が過ごせた。
あまりにも巨大なサンドイッチだった為、半分だけ食べて残りはパッキングしてもらった。
今日はこれからここKashanを発って200km程離れた次の街、Isfahanへと向かう。
本当はバスで行く予定だったのだけれど、ホテルでプライベートタクシーを提供できるとの事だった為、相場として聞いていた価格の半分位(数十ドル)だった事もあって利用してみる事にした。
実際に申し込むと丁寧にバスのチケットのキャンセルと払い戻しまで代行してくれた。
ドライバーとはレストランの前で待ち合わせという事だったのだけど、なかなか落ち合う事ができず少し時間を要した。
タクシードライバーと聞くと黄色い車に乗った中年男性を思い浮かべていたのだが、実際は白い自家用車の鮮やかなピンクのスカーフを被った女性がやって来ていたのだ。
実はドライバーが彼女だと判る前に何かIsfahanに行くかというようなニュアンスの言葉を彼女からかけられたのだけど、近くに大きな観光バスが停まっていた為、その乗客か添乗員が話しかけて来たのかと思ってノーと首を振ってしまった。
この女性自身は英語を話さない為、少し経ってホテルから携帯に電話が入り状況を仲介してもらってようやく何が起きているのかを理解する事ができた。
待たせてしまった事を詫びて車に乗せてもらい、無事Isfahanへと向かう事ができた。
バスよりも近く直接的に感じられる窓外の風景を広く眺めながら異国の人の運転に身を委ねてどこかへと向かう。
ガイドはないのだけれど途中何箇所か観光スポットに立ち寄って貰える事になっている。
意思の疎通は何か伝えたい事がある度に携帯の翻訳アプリに打ち込んで訳文を見せてくれるので、事のほかスムーズで何も問題は起こらなかった。
立ち寄った場所でも車で待っていてくれて一人で決められた時間内にふらふらと歩き回れた。
あまり説明を色々と聞くのが得意でない性分の自分にはとても合っていて、距離的にも200kmちょっとという旅路は乗用車で移動するには長すぎず全てが快適だった。
程なくして一箇所目の観光地に到着した。
Fin Gardenという世界遺産のペルシャ式庭園だ。
西暦1500年よりも前の時代に他の場所から移築されたという説があるらしいが、詳しくは判っていないらしい。
中へ一歩入ると整備された道がまっすぐ奥の方へと広がり、背の高い木々が立ち並んでいる。
奥へと進むと建物が見えて来た。
建物の前はちょっとした噴水広場になっている。
建物の中は中央に噴水池があり、石造りで風通しがよく少し涼しい。
どこも噴水は止まっているようだったけれど、稼働していたらオアシスの様でより綺麗だろうと思う。
天井のアートが美しいゲート
生存の為に生活をするだけならアートなんて必要のないものなのだろうけど、創意工夫でただの通行路をこんな風に作り上げてしまうのだから人間というのは余程面白い生き物なのではないかとこんなものを見ていると思えてもくる。
雌孔雀もああやって美しい羽を広げる雄孔雀に見惚れる訳だから、何を美しいと思うかという美の感覚が人間と他の生き物で共通のものだとすれば、こういう人間のアートは鳥や魚から見ても綺麗なものだろうか。
これは公衆浴場、いわゆるハマムというものだ。
浴場は建物の半地下に作られた蒸し風呂で、ただ汗を流す為のサウナとしてではなく人々が集う社交の場所としても楽しまれていたらしい。
かまくらの様に天井がドーム状になった居心地の良さそうな浴場もあった。
敷地内は広大という程ではないけれどそれなりに広々としている。
ちょっとした散歩にも気持ちが良い。
観光地となる前はどんな場所だったのだろう。
周囲は緑こそあれど砂漠ような砂地が続いている中、この場所だけは緑が濃く水々しい木々が立ち並んでいる。
約束した30分の滞在時間を終えて車に戻り次の場所へと向かった。
崖の上にぽつぽつと大きな家屋が見えた。何となく高級住宅という感じもするけれど周りにはあまり人が住んでいないようだ。
次はピンク色の村、アブヤーネを目指す。
街の建物が皆ピンク色をしていて面白そうな場所だ。
Kashanからはタクシーで日帰りで訪れるようなところなのだけれど、こうしてIsfahan向かう途中で寄れてしまうのもあってこのプライベートタクシーでの移動というものはとても重宝した。