家の近所の通りを歩いていると木魚を叩くような音が聞こえてきました。
何だろうと音のする方を見ると黄色いビニルシートで囲われた仮設会場のテントのようなものがあり、音はそこから聞こえてくるのようでした。
いつもはちょっとした屋外広場として使われている団地の敷地内の一角です。
テントの外側にはFuneral service (葬儀屋)という文字と葬儀屋の電話番号が大きく書かれていました。
本当に木魚だったんだ、そして葬儀が行われているのだとそれで判りました。
木魚を叩くテンポは日本とは随分違い、倍くらいの速さです。
それに合わせて7人位の方が一斉にお経を唱えていました。
お経を唱えていた方々は皆さん黒い袈裟のようなものを着ていましたが、一見するとご遺族の方々に見えました。
複数のお坊さんがお経を唱えるものなのか、遺族も一緒に唱えるものなのか、その辺りのことはちょっとわかりませんでしたが、それ以外の方は全くの普段着でテーブル席に座っていました。
祭壇は黄色一色。
テーブルカバー、祭壇、カーテン、テント、遺影の額縁を囲む花々、全て黄色でした。
飾られていた花は白い花と緑の葉を組わせのたもの、それから色のついた花のセットもあり、そこには向日葵も多く飾られていました。
葬儀には黄色を用いるのが慣習のようです。
何故黄色を使うのかは判りませんが、葬儀に対しての考え方が中国では違うようです。
中国では亡くなった方が現生よりも死後の世界でより良く暮らす事ができるように送り出すという考えに基づいて葬儀を行うようです。
そういった事が縁起の良いとされている黄色を使う事にもしかしたら関係しているのかもしれません。
色々と日本と違ったところが決まり事としてあるようです。
シンガポールも中国の文化を受け継いでいるのでおそらくはこれに近いものなのだと思います。
(中国での葬儀のしきたり)
・参列者葬儀や喪に服す期間は黄、赤、茶色は着ない(華美でない色、または白や黒が無難、喪服やスーツである必要はなし)
・香典は白い封筒に包んで遺族に直接渡すかdonation boxに入れる
・献花をする場合は白か黄色の百合、アヤメ、菊、もしくは白いバラ (白い菊が無難)
・配偶者、子供、義理の娘は黒い服で参列
・娘婿は白い服で参列
・孫は青い服で参列
・曽孫はうす青色の服で参列
香典は大体20 – 30ドルがシンガポールでは一般的なのだとか。
奇数が良いとされているので30ドルが良いかもしれません。
それではまた