イラン一人旅 Day 4 Kashan vol. 2

 

カフェでゆっくり休憩した後はBoroujerdi historic houseという場所を訪れた。

 

1859年に建てられた民間人の邸宅が歴史的建造物として公開されているらしい。

 

 

 

入り口の側にはテーブルと椅子を置いてちょっとした受付スペースのようにしている場所があった。

 

そこには大学生位の女性が微笑みながら座っていた。

 

どこから来たのか、歳はいくつか、どんな国に行ったことがあるか。

 

他に誰も来る様子もないからゆっくりとそんな他愛もない話をして和ませてくれる。

 

彼女は来場者向けににオーディオガイドの貸し出し受付をする仕事をしているようだった。

 

こういうもので細かい解説を聞いたりするのは苦手な方だけれど、感じが良くてフレンドリーだったので1つ借りてみることにした。

 

音声ガイドの表示のある場所の前でボタンを押せばスピーカーから解説の音声が流れ出す。

 

 

 

複雑で立体的なデザインのパターンが美しい天井。

 

 

色調もシックで良い。

 

一体どうしたらこんなものができあがるんだろう。

 

眺める分には綺麗なだけで良いけれどもはや精緻で巨大な工芸品の様でどんな風にして作るのか想像に及ばない。

 

 

ここでは居合わせたイラン人男性が写真を撮ってあげるよと話しかけてきた。

 

手にしていたiPhoneを預けると、今まで知り得なかった機能を駆使して不思議な写真を撮ってくれた。


ここに立って!


腕を上げて!


今度はこっち!


ここに座って!


次はあっち!


言われるがままにあちらこちらへと移動し、体勢を変える。

 

1枚撮る度に写真を見せてくれた。

 

立っている場所の天井や向かい側の壁までを合わせて一枚の写真にして撮ったり色々とできる事があるらしい。

 

 

 

 


外国の貨幣を集めているんだけど持っていない?


少額のでいいんだけど。


無ければ全然いいんだけどね!

 

 

何枚も何枚も写真を撮って随分親切にしてくれたけれど別れ際に頼まれたのはそんな事だった。

何とかあげられるものがあればとバックパックの中を確かめると数十円分位のタイのバーツがあった。

それを差し出すと喜んで受け取ってくれた。

ホテルに置いてこなくて良かったと思う。

礼を言って別れ、敷地内を一回りするとまたばったりと彼に遭った。

 

そこに立って!

 

そう言ってまた写真を撮ってくれた。

 

 

見学を終えて外に出る。

 

少し歩くと馬の姿が目に入った。

 

 

旅行客を乗せて回る馬車のようだった。

 

色褪せたキャビン、周りの年季の入った車や古びた建物の様相が相まって少し前の時代にタイムスリップしたようで良い。

 

 

次は近くにあったSacred shrineという聖堂に入ってみた。

 

 

地元の人々なのか親子連れでのんびりと過ごす人が多い。

 

 

中はたまたまかもしれないけれどがらんとしていて人気がなかった。

 

 

どちらかと言うと観光客が写真を撮りに来る場所というよりは地元の人々が信仰の為に利用する場所という感じがした。

 

 

それでも奥へ進むと一角に何だか様相を異にする空間があった。

 

 

シルバーやゴールドでギラギラとしている。

 

 

全体的には控えめな作りの聖堂でも突如これぞイランと言った風の絢爛な礼拝堂の作りになっていた。

 

 

青色を背面に立体的に並ぶ文字、星形の装飾が神秘的だ。

 

 

聖堂を後にして次はTabatabaie Houseという1880年に建てられたという富豪の邸宅へ。

 

 

全体的な作りはこんな風で、中庭付きの大きなお屋敷になっている。

 

 

正面玄関から中へと入る。

 

 

小ぶりな扉を抜けて進んでいく。

 

 

ステンドグラス付きの印象的な扉の空間。

 

陽の光がガラスに射すと壁に模様が写る。

 

 

そして中庭へ。

 

 

ベッドフレームのようなものがベンチとして置かれていて、訪れた人々はそこに座ってゆったりと寛いでいた。

 

 

一般の邸宅ではあったらしいけれど、丸で王宮の様な場所だ。

 

 

金属をはめ込んだり立体的な彫刻を施したりと凝った作りの壁の装飾。

 

 

天井もヨーロッパでは見られないような独特なセンスでこんなにも美しい。

 

 

ステンドグラスも絨毯のようにとても細かい色模様になっている。

 

 

裏庭のような所にはこんなものもあった。

 

 

つらつらとペルシャ文字で書かれているけれど何だかよく分からない。

 

 

小学校や幼稚園で育てられていたヘチマを思い出す。

 

 

不思議な長細い焼き物がいくつも糸でぶら下げられている。

 

 

一つ一つには古代の壁画のような神秘的な動物の絵や模様が描かれている。

 

何だか分からないけれど綺麗だ。

 

 

邸宅の鑑賞を終えて外に出る。

 

少し歩くと何かの建物が見えた。

 

 

一体何だろう。

 

 

不思議な感じがする写真だけれどどうやら小学校のようだ。

 

 

これは募金箱。

 

たまに道端にこんな風にしてポストのように立っている。

 

少しだけ紙幣を入れた。

 

 

レトロな車。

 

ころんとしたデザインが趣があって良い。

 

バイクは3人乗りの家族の姿も見かけた。

 

自由でのんびりとした雰囲気だ。

 

 

そろそろ夕飯をと思いこの店に決めた。

 

 

開店まで30分程あったので店の真正面にあったコーヒースタンドに寄ってみることに。

 

 

ミニバンのトランクに見事にコーヒーサーバーが収められている。

 

 

オレンジ色のフォルクスワーゲンのカスタムカーだ。

 

 

アメリカーノを注文した。

 

 

ミニバンと同じ色のシャツを着た若いイラン人男性が一人で営業している。

 

 

近くのベンチに腰掛けてコーヒーをすすって寛いでいると段々と日も暮れてレストランにも明かりが付き開店時間になった。

 

 

LOUNGE AMERIANOという店らしい。

 

 

一階は吹き抜けになっていて開放感があり、街頭のようなランプを並べていて洒落ている。

 

 

2階はテラス席になっていて眺めも良く開放感があって気持ちが良い。

 

 

店内の一角には巨大な単車も展示されていた。

 

 

メニューを見せてもらうとピザやハンバーガー、フライドポテト等、ファストフードばかりでペルシャ料理は無いようだった。

 

少しがっかりしたところではあったのだけれど、メニューの1つにゴマのかかった巨大なベーグルを横に切ってそこへ豊富な具を挟み込んだようなとても綺麗なサンドイッチが見えた。

 

これだと思い注文するとその綺麗なベーグルは朝食でしか提供していないとのことだった。

 

そこで店員の女性には明日朝食で出直してくる事を約束して店を出る事にした。

 

そして向かったのはこの店から僅か15メートル位しか離れていない目と鼻の先にある昼間に入ってパフェを食べながら長居させてもらったカフェだった。

 

夜は夜で雰囲気が変わって良い。

 

 

元々昼に入店した時はランチの為にと入ったのだけれど、食事はシェフのいるディナータイムでしか提供していないという事で諦めた経緯があった。

 

ここが良いに違いないと思って入った店だったからまたこの店に戻って来れてとても嬉しい気分だった。

 

メニューの中からチキンストロガノフというものを選んで注文した。

 

チキンストロガノフ?!

 

ビーフストロガノフの肉をチキンに置き換えた様なものだろうか。

 

なんだか温まりそうで良さそうだ。

 

このテーブルの上に黒い鉄器のような中ぶりのシチュー皿にグツグツと煮えたビーフストロガノフのチキン版がやってくる。

 

ごろごろとした鶏肉を大き目のスプーンで崩しながら白い湯気の立つブラウンソースにたっぷりと絡めて口へ運べばストロガノフを何故ビーフだけに限る必要があっただろうかと舌鼓を打つに違いない。

 

そんな事を頭の片隅に想像して待つ。

 

しかししばらくして店員の男性がやって来て笑顔でお盆から取り下ろしてテーブルの上に供したものはこれだった。

 

想像したものと全く違っていた。

 

 

思い描いたものとあまりに違うので何だかショックでさえあったが、フォークですくったこの白いチキンストロガノフというものを実際に口に運んでみると更なるショックを受ける事になった。

 

美味しかったのだ。

 

少しではなくとても。

 

さすがはシェフの作ったストロガノフ。

 

そしてやはりこの店の出す料理だといった風に。

 

普通のものかもしれない付け合わせのフライドポテトやトーストも進んで仕方がなかった。

 

食後は飲んだ事のないものを飲もうと聞いた事のない花のお茶を飲んだ。

 

乾燥した花をティーポットに入れてお茶を入れる。

 

 

赤紫っぽい色の綺麗で柔らかい口当たりのお茶で、香りは強くなく、飲み易いものだった。

 

 

お茶にはデーツやビスケットがついて来るのも嬉しい。

 

 

 

続く